公演レポート

2018大阪松竹座『浪漫活劇 るろうに剣心』公演レポート

るろうに剣心ポスター写真
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2018年10月11日(木)から東京・新橋演舞場で、11月15日(木)から大阪・大阪松竹座で上演された『浪漫活劇 るろうに剣心』が、11月24日(土)に千秋楽を迎えました。

今作は1994年に週刊少年ジャンプで連載がスタートした人気漫画『るろうに剣心—明治剣客浪漫譚—』を舞台化したもの。

2016年には宝塚歌劇団が舞台化し、大ヒットをおさめましたが、その当時、緋村剣心役をつとめた早霧せいなさんが、再び剣心を演じることでも大きな話題となっていました。

スピード感のある殺陣シーンや、舞台を縦横無尽にかけめぐる演出、魅力あふれるキャラクターたちなど、見どころが盛りだくさんだった『浪漫活劇 るろうに剣心』大阪公演の舞台レポートをお届けします。

2018大阪松竹座『浪漫活劇 るろうに剣心』感想

るろうに剣心大阪松竹座入口写真

「ああ、もっと観ていたいのに…」と、舞台が終わってしまうのが惜しくなるほど、充足感が感じられた『浪漫活劇 るろうに剣心』。冒頭、花道から登場した剣心がスピーディで軽やかに舞い剣をふるう殺陣シーンを観れば、一瞬で『るろうに剣心』の世界へと惹きこまれていきます。

大阪松竹座の舞台を存分に活用して、花道から、スッポン(花道の付け根にある小さなセリのこと)から、2階からと、色々なところからキャストたちが登場するので、常に「どこから誰が出てくるのか」というワクワク、ドキドキ感が満載。

劇中に登場する歌のバリエーションも豊富で、それぞれのキャラクターの雰囲気に合わせて作られた三者三様のナンバーは、どれも印象的でした。

特に、「悪・即・斬」と鋭い剣さばきを見せながら歌う斉藤一の曲や、「ガトガトガト~♪」と狂気まじりに歌う武田観流の曲、「べこ べこ べこ~♪」と華やかに歌う赤べこソングは耳に残るキャッチーなナンバー。剣心と薫が、桜の花びらが散るなか歌うシーンはとても美しく、胸が熱くなるエンディングに。

暗転した一瞬のうちに現れる、次々に展開する舞台セットも豪華です。ストーリーは軽快に、テンポよく展開していくので、あっという間に感じられた2時間30分。観終えたあとは何度もリピートしたくなり、心から「観てよかった!」と思えるすばらしい舞台でした。

観れば絶対好きになる、緋村剣心役・早霧せいな

逆刃刀をもつ流浪人、緋村剣心役をつとめたのは、早霧せいな(さぎり・せいな)さん。軽やかに舞うように動く殺陣シーンではかっこよく、「おろろ~」と言いながら困ったように笑うところはかわいくて、舞台のどこにいても目が離せません。

「拙者」「ござる」という言葉遣いもまったく違和感なく、しっくりときていて、まさに緋村剣心そのもの。聴いていて心地よさが感じられる歌声からは、その時々の感情がひしひしと伝わってきました。

「不殺の誓い」では、自分の愛する人とその許婚を殺めてしまった苦しみや悲しみを歌にのせ、不殺を誓う剣心の心情を表現。聴いているこちらまで胸がギュッと掴まれるような苦しさが感じられるこの曲は、強く印象に残っています。

公演の内容をメモしたノートには、何度も「剣心ホレる」という殴り書きがあり(笑)、「とにかく早霧さんの剣心は素敵だった」に尽きますね。カーテンコールの挨拶で見せるお茶目な一面には微笑ましくなり、「きっと、たくさんの人に愛されているんだろうな」と感じられる魅力的な方でした。

元気はつらつでフレッシュ、神谷薫役・上白石萌歌

町の剣術小町で、道場の師範代である神谷薫役をつとめたのは、上白石萌歌(かみしらいし・もか)さん。登場すればパッと場が明るくなるような元気よさがあり、そのフレッシュな感じが役にぴったり。

剣心を見つめる眼差しからは、密かに思いを寄せる薫の心情が伝わってきました。

気品漂う、加納惣三郎役・松岡充

加納惣三郎・ジェラール山下役の松岡充(まつおか・みつる)さんは、物語の主軸となる人物。立ち振る舞いも美しく、エレガントな雰囲気のジェラール山下は、松岡さんによくハマっているなと感じられる役どころです。

製作発表で「原作にはないキャラクターなので、自分独自の色をいれられる」とおっしゃっていた通り、SOPHIAのボーカルらしい、ロックな歌声を響かせてくれました。

大人の男らしさが感じられた、斉藤一役・廣瀬友祐

廣瀬友祐(ひろせ・ゆうすけ)さんが演じた斉藤一は、元・新撰組三番隊組長、維新後は明治政府の警官となった人物。見下すような目つきや「悪・即・斬」と刀を構える姿が様になっていたのは、すらりと背が高い廣瀬さんならでは。

胸の奥まで響く低音ボイスや、煙草を口にくわえる姿からは、大人の(しかも、ちょっと危険な感じがする)男らしさが感じられて、とても魅力的でした。冷徹でクールな斉藤ですが、そんな彼が時折見せる真顔でのボケ(?)にはクスクスと笑いがこみ上げることも。

原作の斉藤がそのまま出てきたような再現性の高いビジュアルと演技が、いろいろなところで好評されているのも納得!そんな斉藤一を演じてくれました。

しなやかに踊るダンスが美しい、四乃森蒼紫役・三浦涼介

御庭番衆の御頭である四乃森蒼紫役をつとめたのは、三浦涼介(みうら・りょうすけ)さん。隠密ならではの登場シーンには「こんなところから?!」と驚かされ、度肝を抜かれた方も多いはず。

しなやかに体を動かし、踊る姿は「美しい」という言葉がぴったりで、とにかくダンスが上手い!長いコートをひらりと翻しながら颯爽と花道を駆ければ、風が舞い、その風圧が客席にまで伝わってくるほどでした。

会場に響きわたる、のびやかな歌声も素敵で、存在感がある俳優さんのひとり。三浦さんの今後の活躍がますます楽しみです。

狂気じみた演技が光る、武田観柳役・上山竜治さん

劇中に強烈なインパクトを残した人物といえば、武田観柳役の上山竜治(かみやま・りゅうじ)さんではないでしょうか。観柳は新型阿片「蜘蛛の巣」を密売している悪徳実業家という役どころですが、上山さんはそんな悪役・観柳を見事に好演。

本のなかから飛び出してきたようなマンガ的な動きや、ガドリング砲を舐めまわすように触る仕草など、振り切った演技がとてもおもしろく、何度も会場を大爆笑させていました。

「次はなにをしてくれるんだ」という期待感があり、登場が待ち遠しいと感じられたのも、上山観柳だったからこそでしょう。

男気と力強さが感じれらた、相楽左之助役・植原卓也

巨大な刀剣「斬馬刀」をふりかざして戦う相楽佐之助を演じるのは、植原卓也(うえはら・たくや)さん。思った以上に大きい斬馬刀にも驚きましたが、胸元からチラリと見える引き締まった胸筋にはドキドキしました(笑)。

長身で体つきもしっかりしている植原さんは、男気あふれる佐之助を力強く熱演。「惡」という文字を背負うその背中からは、左之助がもつたくましさと、勇ましさが感じられました。また、大阪松竹座という舞台ならではの「歌舞伎の見得を切る」という演出も印象深かったです。

女狐感が見事にハマッていた、高荷恵役・愛原実花

武田観柳に命じられて「蜘蛛の巣」を作らされていた女医・高荷恵役は、愛原実花(あいはら・みか)さん。「大人の女性」という言葉がしっくりくる色っぽさがあり、女性から見ても綺麗だと思える女性を好演。

薫を茶化すシーンでは、原作にもあるような女狐らしさも感じられ、恵というキャラクターをしっかりと舞台の上で体現していました。

俊敏に動く殺陣シーンが印象的、緋村抜刀斎役・松岡広大

剣心の影として緋村抜刀斎を演じたのは、松岡広大(まつおか・こうだい)さん。息つく間もなく、流れるように敵をなぎ払っていく華麗な剣さばきは、殺人剣をふるい、伝説の人斬りと呼ばれた抜刀斎がまるで実在するかのように見えました。

剣心の影という役どころでしたが、俊敏な動きで舞台を駆け抜ける松岡広大さんは存在感があり、「すごい・・・!」と、その身体能力に感心しっぱなしでした。

まとめ

るろうに剣心ポスター写真

『るろうに剣心』という作品が大好きで、観劇前から、とても楽しみにしていた今回の舞台でしたが、その期待は大きく上回り、「観れてよかった」と強く思える素敵な作品でした。

早霧剣心にもう一度会いたくて、公演が終わってから、すぐさま宝塚版のDVDを購入してしまったほど(笑)。こんなすばらしい舞台を作り上げてくださったキャストやスタッフの皆様に、感謝の気持ちを心からお伝えしたいです。本当にありがとうございました!

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